魔王を倒した後、冒険は新たなる舞台へと移ります。 長い一本道の進行を経て「神の民の里」でのイベントを終えた後、一行は次のミッションを明確に示されないまま唐突に放り出されます。 ここから先は、これまでのような一本道の進行ではなく、様々な課題に順不同で取り組むことになります。何から手を着けてもいいという状況は、いい換えれば、手順によっては大いなる回り道をしてしまうリスクもあるということです。回り道もまた楽しいものですが、新しい世界をゆったりと余裕をもって探索できるようにするための効率的な進行手順を整理しておきたいと思います。 「効率的」と書きましたが、とてつもない手間と時間を要する作業も含まれていますので、あらかじめご承知おきください。 ① 「きせきのきのみ」の入手 サマディー城のファーリス王子からクエストを受注し、報酬として「きせきのきのみ」をもらいます。 ② レベル上げ 今までのドラクエのやりこみプレイでは、いろいろな準備を整えて、一番最後にレベル上げに没頭するのが通例だったのですが、本作は違います。大きなリスクを負うことなく、手軽な作業でレベルを大きく上げられます。ドラクエ8で何日もメタル狩りに勤しんだ者としては、いい作品だなぁと痛感します。 「きせきのきのみ」を得たことにより、一回の戦闘の中で「スーパールーレット」と「スペクタクルショー」を両方とも行うことができるようになります。詳説した動画がYouTubeに多数上げられていますので、調べてみてください。 「きせきのきのみ」は超貴重品なので、ここでどこまで消費するのかは事前に考えておく必要があります。わたし的には、超強敵との戦闘などで使用する場合、上位の「きせきのしずく」でないと用が足りないケースがほとんどであることから、「きせきのきのみ」はレベル上げのためのアイテムと割り切ってしまってもいいのではないかと思っています。 この段階で平均レベルを80前後まで引き上げておくことで、この後の作業が格段に楽になります。 ③ 超重要装備のレシピの入手 他のミッションはすべて後回しにして、まっすぐ「ネルセンの最終試練」に向かいます。 装備がまだ中途半端で、道中の敵との戦闘は厳しいので、宝箱は基本的に無視して先に進みます。 試練は3つあり、順番にこなしていく必要があります。最初の「導師の試練」の「不屈の迷宮」の中に、超重要装備のレシピが入った宝箱があるので、まずはこれを入手します。 そしてそのまま迷宮を先に進み、最深部で最終試練に挑んでこれを突破します。ある程度レベルを上げていればどうにかなると思います。これにより次の「賢者の試練」に進むことができるようになりますが、「ネルセンの最終試練」への挑戦はひとまずここまでで一時休止します。 ④ 素材集めのための装備の入手 超重要装備を大量に作成するため、まずは素材集めにもっとも適した装備を整えます。 「バイキングのアジト」近くの某所で「海賊王の首飾り」を、「デルカダールの丘」で敵から「うさぎのしっぽ」を8つ入手します。すでに入手している「メダ女の制服」「ラッキーベスト」と合わせ、これらをすべて装備することで、パーティーのお宝ドロップ率を最大化することができます。 また、「盗賊王のターバン+3」と「ぬすっとのグローブ+3」2個を作ってカミュに装備させ、ぬすむ成功率を最大化します。 「盗賊王のターバン」のレシピは、かつて相棒と初めて出会った薄暗い場所の周辺を探してみてください。また、「ぬすっとのグローブ」は元々2個持っているケースもあると思いますが、ぬすむ成功率を上げるため、ぜひとも「+3」を装備したいところです。元々持っている物を打ち直すのは「うちなおしの宝珠」がもったいないので、新たに鍛冶で作ります。 ⑤ 超重要装備の素材集め ドラクエ8で重宝したあの指輪の素材を16個分集めます。16個も必要か?という疑問もあると思いますが、素材集めに関しては10個も16個も大差ないです。 「きんかい」16個は、「賢者の試練」の「追憶の城」に現れる「ゴールデンタイタス」から盗みます。 「超ばんのうぐすり」48個は、「バンデルフォン地方・東の島」に現れる「ベホマスライム」のレアドロップなので、大量に狩って入手します。 「赤い宝石」32個は、「導師の試練」の「不屈の迷宮(昼)」に現れる「スカルナイト・強」から盗みます 「紅蓮の大木」48個は、「始祖の森」に現れる「デーモンバウム・邪」から盗みます。この「デーモンバウム・邪」との戦闘では、今作っているアクセサリーが有効なので、この素材を最後に集め、数が足りる都度その場で作って装備します。レベルが十分に上がっているので、ぜひとも「+3」を16個作りたいところです。 今後は、このアクセサリー2つが標準装備になります。 ⑥ 最強スキルの習得 まだスキルパネルが全解放されていないメンバーが2人いるので、この解放に取りかかります。 ソルティコの町に行き、示された試練に挑むのですが、この際に、先ほどまで嫌になるほど素材を集めて作ったアクセサリーが効果を発揮します。 これで各メンバーのスキルパネルがすべて解放され、後は各自の最強装備を整えればパーティーの強化終了となります。 「本作最強のメンバーは誰か?」という議論を目にすることがあります。 本作は8人全員がそれぞれ異なった長所を有し、バランスが取れたメンバー構成になっているので、そもそもあまり意味がない議論だという意見もありますが、一考に値するテーマだとは思います。 その中で、最強は「目覚めしセーニャ」、略して「覚醒ニャ」であるとする意見は、一定の説得力をもっています。2人分の行動の中から一つを選択できるわけだから、他のメンバーより1ランク価値が高いといわれれば、確かにそうだなぁと思います。 しかし、そうであれば、さらに上がいます。「レディファースト」により、自分に加え3人分の選択肢から行動を選ぶことができるナカマ、シルビアです。 無論、女性キャラクター3人がすべてバトルメンバーに出ていなければいけないという条件付きではありますが、その限りにおいてはシルビアが最強というのが私の結論です。というか「レディファースト」が最強のスキルだと思っています。こんなのよく考えたなぁと感心します。 思えば、この世のすべての集団は、自分の目的や自らに課せられた使命、立場など、何らかの必然性に促されて参加したメンバーにより構成されているものです。本作においても当然そうなのですが、その中にあってただ一人、自身にはこれといったメリットがないにも関わらず、世のため人のために冒険に参加した男シルビアです。最強の称号に十分値すると思います。 そして、このシルビア+女性3人というパーティーが、すこぶるバランスがいいのです。 この女性3人は、ドラクエの世界で昔から受け継がれてきた「標準的な職業」を忠実に具現化したキャラクターです。基本からはずれた飛び道具をもたない代わりに、求められる役割を忠実に果たしてくれる3人であり、ある意味この3人でパーティーはバランスよく完結しています。無論、カミュがもつ爆発力にはかなわないし、グレイグのように盾の役割を果たすこともできませんが、基本的なことはほぼすべてできる3人です。 この3人の中で、その場面においてもっとも強化したい役割を、シルビアが「レディファースト」でその都度補ってくれます。マルティナに2回行動させることが多いと思いますが、必ずしもその限りではありません。セーニャが2回行動することで、パーティーが窮地から脱することができた経験は誰しももっていると思います。そして何より、シルビア自身がもつスキルも十分に有用です。 以上述べたとおり、このシルビア+女性3人の組み合わせは格段に汎用性・対応力が高いことから、様々な特性をもつ敵と次々に戦うザコ敵戦において、特に長所を発揮するパーティーであると考えています。 ここで一つ、「レディファースト」を使った小技を紹介しておきます。 この技を有効に使うためには、本作においても従来と同様に「ターン」が存在することをしっかりと認識しておく必要があります。戦闘画面の右下、メンバーの名前やHP・MP等のゲージが表示されている部分に注目すると、未行動のメンバーは薄い枠で囲まれており、行動が済むとこの枠が消滅します。次のターンに入ると全員の枠が復活します。私のようにボーッとプレイしていると、気がつくまでに結構な時間がかかる場合もあると思います。 この小技は、シルビアの行動順が2・3番目の時にのみ使うことができます。理想は3番目です。 例えば、グレイグ、シルビア、マルティナ、カミュの4人で戦っていて、カミュが倒されてしまったため急いで蘇生させたい場合、直後のシルビアの行動時に、既に行動を終えているマルティナとセーニャを入れ替え、「レディファースト」でセーニャに「ザオリク」を使ってもらい、その後、グレイグの行動時にセーニャとマルティナを入れ替えて元に戻し、グレイグが「けんじゃの石」を使ってターンを終えるという操作を行います。これで、ターン内の行動機会を無駄に失うことなく、スタンバイの女性キャラクターに行動してもらうことができます。ポイントは、行動順が安定的に最後になるメンバー(この場合はグレイグ)が存在することです。 一見めんどくさいやりくりなのですが、歴代最強とも噂されるどうかしている裏ボス戦等、強敵と戦う際には念頭に置いておきたい小技です。また、すばやさの数値が低いメンバーにもちゃんと存在意義があるんだということを知り、本作の懐の深さを再認識してうれしい気持ちになります。 この後は、このパーティーをメインに各地を回って、宝箱を開けたり「討伐モンスターリスト」を埋めていったりしながら、少しずつミッションをこなしていくのがお勧めです。やるべきことはまだ多く残されています。